携帯型牛肉おいしさ測定端末

良質な脂を見極める

携帯型牛肉おいしさ測定端末とは

牛肉に品質が求められる時代に

 かつて、食卓にならぶ牛肉はごちそうでした。時代とともに牛肉は霜降りが重視されるようになり、近年では安全・健康・美味と品質が求められるようになりました。
 牛肉は霜降り、肉の色、締まり具合、光沢等の項目によって目視評価されています。しかし、食味つまり牛肉の味覚については食べてみないと、おいしさを判断することは困難です。
 そこで、おいしさ要因の一つである牛肉の良質な脂を簡易に測定しようと考えられたシステムが、携帯型牛肉おいしさ測定端末です。

破壊試験

牛肉の品質を測定する

 良質な脂にオレイン酸があります。牛肉に含まれるオレイン酸の割合が増えると口どけが良くなります。
 従来、オレイン酸の測定にはガスクロマトグラフなどによる破壊試験が行われていますが、時間と手間を要するため、より簡単に操作できる測定装置が望まれています。

牛肉脂の品質を評価する

カメラでパシャッ オレイン酸割合の分布

カメラでパシャッと

 牛肉の脂は人間には見えない近赤外光に吸収されやすい性質をもっており、この性質を利用して、近赤外光の分光画像を画像処理することでオレイン酸割合値を推定します。
 測定はいたって簡単。牛肉に照明を照らしてカメラで撮影するだけです。牛肉の反射光を光学フィルタによって任意の波長にチューニングし、分光画像を取得します。反射光の程度から成分割合を推定し、成分割合に応じてカラー表示することで、牛肉にひろがるオレイン酸割合の分布が一目で分かります。

小型おいしさ測定端末

小型おいしさ測定端末

 これまでに、小型で軽量なマルチバンド画像取得カメラを開発しました。近い将来、市場で取引される全ての牛枝肉を測定できる携帯型の端末となるように研究開発を進めています。また、照明・温度など撮影条件が異なる環境においても安定的に測定できるシステムとなるように検討を行っています。

 本研究の一部は,平成21年度~22年度総務省戦略的情報通信研究開発推進制度(SCOPE)地域ICT振興型研究開発「県産ブランド牛肉付加価値向上のための携帯型牛肉おいしさ測定端末の研究開発」、平成21年度独立行政法人科学技術振興機構(JST)研究成果最適展開支援事業(A-STEP)「牛肉の脂質評価装置の開発」で実施しました。

報告書